ようやく、街が白くなった。
ひっきりなしに降りしきる様が、ここからでもよく見える。
春が近づくころにはうんざりしてしまう雪模様も、今日は何となくいとおしく思える。
今年も雪が降る。
幼い頃は、はしゃいだものだった。
飽かず天を仰いだ。
今日の空にそれをやると、まとまった質量でかなり顔が冷えるだろう。
でも、それが良かったのだ。
街は電飾に縁取られている。
ホワイトイルミネーション。
僕が帰る頃は、ほぼ消えている。
消えたイルミネーションに見えるものは、黒いゴムの線に捕らわれた植物だ。
この間まで街を黄色く飾っていた銀杏並木が、そうなっていた。
華やかな影にもうひとつの世界。
クリスマスに浮かれる街並み。
降りしきる雪。
そんな中、また大事な人が先に逝った。
酒と音楽を愛した人。
彼がどんな気持ちで飲み続けていたのか永久にわからなくなってしまった。
少しの後悔と多大な感謝を持ちつつ、この白い雪に彼を想う夜にしよう。
ひとり今、そう思った。
白い雪に
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