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2008年9月の記事一覧

9月が終わる。
月並みだが早い物で、明ければひとつ、歳を重ねる。


昨夜の天竺牡丹は賑わいを。
その中、珍しく見知らぬ女性が訪ねてきた。
看板サイン等が、全くない我が店。
通りがかりは、まず無い。


「どなたかのご紹介ですか?」
と訊ねた所、
「わたしの初恋の人だから」
の返事。

正直、心臓が止まるかと思った。


聞けば、幼稚園の同級生。
今より、30年以上の昔である。
勿論、どの人かはわかった。
記憶力は良いつもりだ。

ただ、彼女の記憶力にはまいった。
覚えていない事ばかり。

人づてに聞いて態々だったらしい。
驚きが嬉しさに変わった。
彼女の初恋の人が、むさい中年になっていた事に対する感想は、遠慮しておいた。

野暮かな?
と思った。



面白い店主がいる、との紹介をしてくれたお客様がいて、昨日も新規の女性が更に。
年々人見知りになってしまい、そんなこんなで昨夜の我が店はぎこちなく。


この仕事は本当に様々人に出逢う。
と言うか、彼ら彼女らの人生を少しだけ覗き見させてもらっている感じだ。



今宵のスタートはまだ。
どのように時間が流れるか?
顧客様のリクエストの柳ジョージを本日購入。
しゃがれ声に切なくなり、聞いていた中学時代を思い出している。



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たしか、去年の今日、僕は一軒の店を閉店にした。
まあ、そういう意味では記念日だ。
あれから、一年の経過を先程思い出し、早さに辟易しつつも、自らの境遇の違いを面白く思った。


今まで数々のお店のオープンには関わってきたが、閉店は去年の今日が初めてだった。
様々な顔と、様々な想い。
入り交じりつつ、新たなスタートの為に幕を下ろした。



色々な選択が人生にはある。
気が付けば、朝起きてから夜寝るまで、全ての行動に置いて何らかの決断。
その中のターニングポイントが去年は有った。


新たなスタート。
そういうポイントのスタートは僕の場合、全てかなり良くない状況になる事が多い。
と言うか、上手くいった試しはない。


今宵は殊更暇な我が店。
先程まで、この界隈の大先輩とマンツーマン。
暇なのに来てくれてありがとうから、何かの授業を受けている気になってきた。



格好いい男。
それは、何だとつきつけられる毎日。
恥ずかしながら、"格好いい"に憧れて、それだけ目指しこの歳まで生きてきてしまった。
改めて聞かれても答えれない始末。
格好いいとは何だ?


朧げに見えてきた答え。
周りの哀しみを背負いつつ微笑む男達。
幸い素敵な男が多い。


格好いいとはそういう事ですね。
今はまだ、とても言葉に出来そうにない。


一年の経過も僕をそれほど成長させてはいないらしい。

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やはり、9月も下旬になると冷える。
どことなく、冬を思わせる雨が地を叩く。
季節が変わる高揚感と、冬に近づく裏寂しさ。
このふたつが相反し、何処となく不安定を奏でる。
今日の三条は雨模様。
我が店はジャズでスタートした。

車の通過音に水の導線。
静かな給料日が幕を開けた。



この界隈で時を送るようになって、早18年。
随分風景が変わった。
当時憧れた30代の方々は、50の区切りを踏み、自らも早30代半ば。
月日の経過を繁栄として捉えるか否か、微妙な想ひ。


地方経済の衰退が叫ばれて久しい。
改善の目が立たぬまま、国政は他人の空。
やるせない思いを抱えつつ、いつものように只店にて客を待つ。



静かだ。




この界隈で喫茶店巡りをした事がある。
20年程の昔だ。
古着屋、雑貨屋、喫茶店で大人の匂いを垣間見ていたあの頃。
あの匂いを伝えたく、僕はまだここにいる。


振り向くと背の高い建物達。
携帯電話を手に交差点を渡る人々。


誰に何を伝えたいのだろう?
ひとつの確信と、百の疑問を持ちつつ、このつたない文章を始める事にした。


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