見つからないよう思った。
ざわめかないよう祈った。
うつむいていた。
いつもうつむいていた。
意志的な黒が、少し滲んでいた。
心配だったので、優しくした。
心配だったから、冷たくした。
治らないよう願った。
壊れないよう叱った。
でも離れた。
離れてしまった。
知っていたの?
知っていたのか?
廻りすぎた刻を嘆き、埋まりすぎた過去を崇め、静かに、静かに。
何故紅く染まる。
何故蒼く笑う。
重なった筈のふたり、幾重にも外れながら、駱駝のやうに、縞馬のやうに、ずれてゆく、ずれてゆく。
たまたまの満月。
東の川面に浮かぶ幻。
このふたつが、永遠の距離。
それを望むかのごとく、少しだけ、ありったけ、冷たく、そして温かく
微笑んでみた。
微笑んでみた。
サヨナラは月の水面
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